長崎国際大学 薬学部 薬品資源学研究室

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ボタニカルアートライブラリー

ボタニカルアートライブラリー

ボタニカルアートライブラリーは毎月更新していきます。

ボタニカルアートライブラリーは、正山征洋名誉教授・特任教授にご執筆いただいております。

コエンドロ Coriandrum sativum

コエンドロ

コエンドロはコリアンダーとも呼ばれ、地中海沿岸原産でセリ科に属する1年草です。古代エジプトや古代ローマ、古代ギリシャにおいて薬草としてまた、香草として珍重されました。日本へは10世紀頃に渡来しています。草丈も低く華奢な植物ですが、カメムシ様の強烈な香りを放ちますので、好き嫌いの分かれるスパイスです。近年はタイ語の「パクチー」がよく使われ、タイ料理を中心に熱帯アジア各国の料理に用いられ、やみつきになった人も少なくないようです。果実はテルペン含量が高く芳香性健胃薬として用いられます。本作品の作者、年代共不詳です。

ウイキョウ Foeniculum vulgare

ウイキョウ

地中海沿岸が原産地で明治初期に渡来しました。セリ科に属する多年草で、草丈は1~2mとなり、糸状に分かれた葉をつけます。夏にかけて傘を開いたような花茎を伸し小さな黄色花を多数開き、秋には分果が熟します。果実は精油含量が高く、主成分はアネトールでその他モノテルペン類が多種含まれています。果実は90%以上がスパイスとして使用されますが、芳香性健胃薬として胃腸薬にも配合されます。また、漢方では安中散に桂皮、茯苓、牡蠣、甘草、良姜、延胡索、縮砂等と共に茴香が配合され、胃に痛みがある時の健胃薬として、また、去痰作用も期待できます。
本画にはウイキョウがあしらってあり、パンにのせられ、また、ウイキョウを加えたピクルスを作っているように見受けられます。本作品の作者、年代共不詳です。

ホップ Humulus lupulus

ホップ Humulus lupulus

クワ科に属する雌雄異株のつる性の多年草です。日本各地に自生しているカナムグラの仲間で、アサ(大麻)とも近い種です。夏から秋にかけて開花しますが、雌花を採取してプレスしたものがホップです。ホップは麦汁に加えて加熱してビールの香りと苦みをつけます。ヨーロッパ、特にドイツでは、支柱を立ててワイヤーを張り栽培している様子を車窓から見ることが出来ます。日本においても岩手、山形、秋田各県で栽培されています。ホップの成分の研究も古くから行われていて、精油成分、苦味をもつフムロン酸類、プレニールカルコン類、プレニールフラボノイド等が単離構造決定されています。ホップは古くから鎮静作用、睡眠作用、健胃作用をもつ民間薬として用いられており、ヨーロッパではカプセル入りのホップが売られています。本画は1800年代末のカーラーによる作品です。

ミシマサイコ Bupleurum falcatum

ミシマサイコ Bupleurum falcatum

セリ科に属する多年草です。図の様に葉がイネ科植物に似ています。夏に入ると傘型の花穂をつけ小さな黄色の花を開きます。 Bupleurum属植物は世界に広く分布しており、ヨーロッパでも目にすることがあります。本ボタニカルアートもヨーロッパにおいてエッチングが作られ手彩色された1800年代の作品です。根を柴胡と称し、柴胡剤と呼ばれ慢性化した病気に対する漢方薬に配合される、大変重要な生薬です。

参考図書のご紹介

ボタニカルアートにご興味のある方は、下記の書籍をご覧ください。

「ボタニカルアートの薬草手帖」

著者 正山 征洋
出版社 西日本新聞社
出版日 2014/7/28
書籍購入はこちら
ボタニカルアートの薬草手帖

「薬草の散歩道」

著者 正山 征洋
出版社 九州大学出版会
出版日 2003/10
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薬草の散歩道

四季の漢方薬

小青竜湯花粉症
麦門冬湯熱中症予防
抑肝散認知症
麻黄湯インフルエンザ
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